最近の葬儀場では、受付の効率化と芳名帳の整理の手間を省くため、タブレット端末やQRコードを活用した「デジタル受付システム」が導入されることが増えています。私が父方の祖父の葬儀で受付を任されたとき、まさにこの最新システムが採用されていました。葬儀社の担当者から「お孫さんなら使いこなせると思って、このシステムをご提案しました」と言われ、私は少し身の引き締まる思いでした。システムの内容は、参列者が事前にスマートフォンで発行したQRコードを受付のカメラにかざすだけで記帳が完了し、香典の金額もその場で入力できるという画期的なものでした。孫世代の私にとっては、操作は非常に直感的で簡単でしたが、問題は参列者の多くが年配の方々であるという点でした。案の定、受付が始まると「これ、どうすればいいの?」「スマホなんて持ってないよ」という戸惑いの声が上がりました。ここで、デジタルに強い孫としての本領が発揮されました。私は受付台の前に立ち、1人ひとりの方に丁寧に声をかけました。「おじいちゃんの友人の方ですね。大丈夫ですよ、私が代わりに操作しますので、お名前だけ教えていただけますか」。私はタブレットを手に取り、参列者の方の代わりに名前や住所を入力しました。また、QRコードを持っている方には「素晴らしいですね、こちらにかざしてください」と誘導し、読み取りが成功すると「ありがとうございます、完了しました」と笑顔で対応しました。デジタル化された受付は、本来なら無機質になりがちですが、孫である私が間に入ることで、かえって「最新のものを使いつつ、心は温かい」という、祖父の性格にぴったりの受付になりました。特に、親世代が操作に四苦八苦する中で、私がサクサクと入力を進め、香典の集計もリアルタイムで終わらせていく姿を見て、親族一同からは「さすが現代っ子だね」と頼りにされました。葬儀が終わった直後には、すでにエクセルデータ化された参列者名簿が完成しており、後の香典返しのリスト作成が劇的に楽になったと、喪主である父は心底驚いていました。技術ブログ的な視点から言えば、葬儀という伝統的な場におけるUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上には、システム自体の完成度もさることながら、それを橋渡しする「デジタルネイティブな親族(孫)」の存在が不可欠であると痛感しました。伝統を重んじつつ、最新技術を使いこなして家族を助ける。これこそが、現代における孫の新しい「孝行」の形なのかもしれません。祖父も、自慢の孫がハイテク機器を駆使して自分の葬儀を支えている姿を、きっと空の上で驚きながらも誇らしく見ていてくれたに違いないと思います。
デジタル受付システムを導入した葬儀で孫が大活躍した話