葬儀の日程を決定する上で、火葬場の稼働状況は最も支配的な要因となりますが、特に土曜日の葬儀においてはその関係が顕著に現れます。火葬場は公共施設であることが多く、1日の火葬件数には物理的な限界が設定されています。一般的な自治体では、1日に10枠から20枠程度の火葬枠を設けていますが、土曜日はそのすべての枠が真っ先に埋まる「激戦日」となります。この混雑の主な原因は、前述の通り参列者の利便性にありますが、もう1つの要因として、友引による休業日が影響しています。日本の火葬場の多くは、暦上の友引の日を定休日としているため、もし金曜日が友引であれば、そのしわ寄せが翌日の土曜日に集中することになります。逆に、土曜日が友引であれば、その前後の金曜日や日曜日に需要が分散しますが、土曜日そのものに葬儀を行うことは不可能になります。このように、土曜日の葬儀の可否と混雑度は、その月のカレンダーと密接に連動しているのです。火葬場の予約システムは、多くの場合、葬儀社を通じて24時間体制でアクセス可能ですが、人気のある土曜日の時間帯を確保するためには、死亡診断書が発行された直後に迅速にシステムへ入力する必要があります。土曜日の予約が取れない場合、友引ではない平日にずらすか、あるいは1日待って日曜日に設定することになりますが、日曜日は火葬場は開いていても斎場側が休みであったり、あるいは翌日の月曜日が仕事であるため参列者が早めに帰りたがったりという別の制約が生じます。したがって、土曜日の葬儀を成功させるためには、火葬場の空き状況を確認した瞬間に、迷わずその枠を「押さえる」決断力が求められます。一部の火葬場では、土曜日や休日の利用に対して追加料金を設定している場合もあり、コスト面でも平日の葬儀とは異なる配慮が必要になることがあります。また、土曜日の火葬場はロビーや待合室も非常に混雑するため、他の葬儀家との鉢合わせを避けるための導線管理や、待ち時間の短縮といった葬儀社の運営能力も問われることになります。火葬場という「出口」が詰まってしまうと、葬儀という「入り口」をいくら豪華にしても全体の流れが滞ってしまうため、土曜日の葬儀計画においては火葬場の予約をすべての中心に据えて考えるべきです。
火葬場の空き状況と土曜日の葬儀の関係性