葬儀や法事の際に御供物をお持ちする際、欠かせないのがのし紙です。特にのし紙の下に書く贈り主の名前は、故人や遺族に誰からの御供物であるかを伝える大切な要素となります。御供物ののし紙における名前の書き方には、いくつかのマナーがあります。失礼なく弔意を伝えるためにも、正しい書き方を知っておきましょう。のし紙には、水引の下、中央部分に贈り主の名前を記載します。個人で贈る場合は、フルネームで氏名を記載します。苗字だけでも間違いではありませんが、フルネームで書く方がより丁寧とされています。文字の大きさは、上の表書き(例:「御霊前」「御仏前」)よりも少し小さめに書くとバランスが良いとされています。夫婦など連名で贈る場合、通常は夫の名前を中央に、その左側に妻の名前を書きます。三人で贈る場合は、中央に最も目上の方の名前を書き、左側に続いて目下の方の名前を並べて書きます。四人以上の連名の場合は、全員の名前をのし紙に書くことは難しいため、代表者の名前を中央に書き、その左下に「外一同」や「他〇名」などと記載し、別紙に全員の氏名を書いて御供物と一緒に添えるのが正式なマナーです。会社名義で贈る場合は、会社名を中央に記載し、その右側に代表者の役職と氏名、または「〇〇株式会社一同」などと記載します。部署名で贈る場合は部署名を記載します。会社の規模や慣習によって書き方が異なる場合があるため、事前に確認すると良いでしょう。名前を書く筆記具は、毛筆や筆ペンを使用するのが正式です。葬儀の場合は悲しみを表すために薄墨で書くことが推奨される場合もありますが、御供物ののし紙は表書きが印刷されていることが多く、名前だけを書く場合は通常の濃さの墨で書くのが一般的です。ただし、地域の慣習によっては薄墨を用いる場合もあるため、周囲の方に確認するとより安心です。御供物のしの書き方には、これらの基本的なルールがあります。名前は小さすぎず、また大きすぎて表書きよりも目立たないように、全体のバランスを意識して丁寧に書くことが大切です。心を込めて選んだ御供物に、正しい名前の書き方で弔意を添えましょう。